造形物
担当者:安宅(M4C、造形物リーダー)、西垣(M4D)、中口(M3D)、姉崎(M1A)、白井(C1)
メッセージは「生命の共生」
今、地球環境破壊が深刻な問題になっているのは周知の通りですが、その造形物はその解決方法を提案します。
それは、「生命の共生」。当たり前のことなのですが、人類のほとんどはそれを忘れてしまっています。
地球は人類だけの物ではなく、生き物みんなの物。人間が支配しているなんて思い上がりもいいとこです。
そんな当たり前のことをもっと多くの人が心がければ、他の生き物たちと共生する社会を築こうとすれば、
環境問題は解決に向かうはずです。自然を破壊し続けるするいうこと自体、生き物は自然と共に生きている
ということを忘れているということなのですから。
造形物は、地球上に生きる生命のうち代表的な物を造形物Aとして3つ。そして、それらを結びつけて
共に生きようというメッセージを発する造形物Bから成っています。
造形物A
造形物Aは<木>、<人><朱鷺>の3つです。
それぞれ置かれるスポットが決まっていて、
<木>は第1スポットに、<人>は第2スポット、<朱鷺>は第3スポットに置かれます。
これは、実際に造形物を置く得点部Aとの兼ね合い上決まったことです。
<木>が最も重く、<朱鷺>が最も軽くなっています。
・造形物<木> 担当:中口、安宅
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植物を表す<木>です。造形物Aは2000年を象徴するものでなくてはならないので、一応「千年杉」
ということにしています。とてもそうは見えませんが。何回も作り直しましたので、当初の雰囲気とは全く
異なっています。最初作ったときは、「この木なんの木」みたいでした。
それが、マシンに収納するときに大きすぎる、ということで何度も刈り込み、剪定。現在に至るのでした。
葉はジオラマ用のスポンジを3色使い、木の幹は発泡スチロールの芯にコルクチップを一つずつ貼り付けています。
土台は底を切り取ったタッパーの上に風呂マットを薄く切って載せたもの。
よく見ると、小さな花が咲いていたり、鳥が飛んでたりしてます。
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写真では「広げよう緑前線」という立て札が立っていますが、たしか他にも立て札はあったはず。
でも結局使わずじまい。さらに、写真では見えませんが、丁度真後ろに針金の取っ手が付いています。
(「この木なんの木」の時は上についていましたが、変更されました。)
それを得点部に引っかけてマシンにセットします。
今回3つの中では一番良くできた造形物ですが、葉っぱがスポンジのため触るとバラバラ粉みたいに
はがれて落ちるんですよ。掃除が大変でした。ちなみに、写真に写っている指は制作者の中口氏です。 <木>の製作風景
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・造形物<人> 担当:中口
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人類を表す<人>です。地球上の代表的な生命の一つに人類を選んだのは、決して人間が地球を支配している
という思い上がりではなくて、「本来なら『動物』なのだけれど、その環を外れてしまったはみ出し者」
という考えからです。造形物で動物と人間が別になっているのも、現在の状況を表し、そして造形物Bでその共生を
訴えるためなのです。
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これも2000年を象徴しなくてはならないので、2000年最も注目を浴びた某半島の首脳お二人をモチーフにしました。
平和への努力に励む人類を象徴しています。
人形の材質は軽い紙粘土。最近の紙粘土は滅茶苦茶軽いですね。フィギアを作ったことがあるのかないのか、
詳しそうだったH川氏の指導のもと、妥協の連続で出来上がりました。
それだけに(それだけでもない)、あまりにも低レベルな物になってしまいました。別に顔を似せようとなんかしてませんよ。
あくまで二人の首脳はモチーフです。土台は<木>と同じです。
人形のカツラは数種類用意してあったのですが、とても本番に使用できるようなものではなかったため、
これもボツ。地面はあの歴史的握手があった滑走路を再現しています。
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で、この造形物の一番凄い(?)ところは、裏側の万国旗を持った人々です。(右の写真)
手が空いた1年生に片っ端から作ってもらいました。元々造形物自体が小さいのと芸術センス不足で、
つぶれたような小人形が出来上がりました。バイクに乗っていたり、プロレスをしていたり、
非常にバラエティ豊か。ついでに人間以外まで混じってます。
万国旗はわざわざ図書館から本を借りてきて、異常な細かさで一つ一つ描かれています。
立て札の「王子様募集中」は、もちろんうちの担当教官の叫びです。立て札は他に「日本の夜明け」
「手を取り合おう(だったっけ?)」「タージン大好き」等がありました。
ちなみに、右の写真の真ん中で白いシャツを着ている人形はタージンだそうです。
造形物<木>にも言えることですが、この造形物、細かすぎ。いや、凝りすぎと言っておこう。
観客からは絶対見えません。しかし、マシンの性質上造形物は小さくせざるを得ない。
それなら細かいところに凝るしかありません。
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・造形物<朱鷺> 担当:西垣
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動物を表す<朱鷺>です。哺乳類の方が「動物」と分かりやすかったでしょうが、
2000年を象徴しなければならないため、雛も生まれて話題にもなった朱鷺にしました。
これを考えた6月には、他に話題になった動物は考えつきませんでした。
これも発泡スチロールの芯に紙粘土を被せて作ってあります。3つの造形物の中で最軽量。
ただし、最もかさばる。足は水面に浸かっているという設定なので、短くなっています。
当然の事ながら、長いクチバシは2回程折りました。(折ったのは2回ともリーダー児山)
この立て札も数種類あり、「万物共栄」「生物兄弟」「俺達仲間」等がありました。
この4文字熟語はかなり悩みましたね。あんまり真面目すぎるのも嫌、適度に遊び心を加えた
言葉にしたかったんです。「俺達仲間」なんか気に入ってますね。
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造形物B 担当:安宅、中口、姉崎
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造形物Bは3つの造形物をうけて成り立ちます。3つのスポットに置かれた<動物><植物><人間>
という生き物を、中心の第4スポットで結びつけて「これらは共に生きていこう」というメッセージを
発するわけです。そのため、造形物Bから出てくる人形は、造形物Aの3つの要素が全て合わさったものとなっています。
(そのまんま)
初期状態では造形物Bは3/4球状の形をしています。第4スポットに置かれるとふたが開き、
人形が出てきます。人形を膨らませる所にはパソコン用のファンを使用しています。
人形が膨らむのは一瞬です。当初は人形が回転する予定だったのですがかなり不安定で、
地区大会前日(当日だったかもしれない)回転し続けないとPPを達成できないことを考慮した結果、
回転はリスクが大きすぎると判断し膨らむだけになってしまいました。
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地球は中空の発泡スチロール半球を極限までくり抜いて減量し、二つを張り合わせてあります。
さらに表面には紙粘土を貼って大陸と島々を表現。凹凸があるのですよ。「イタリアが無い!」、
とか「地中海どこや!?」とか注文付けて作者を困らせましたね。ってイタリア無かったらダメでしょ。
制作者曰く、この地球儀が素敵なハーモニーを醸し出しているそうです。
人形はオレンジ色のやつが<人間>で、白いのが<動物(朱鷺)>、そして下の緑色の部分が<植物>
を表しています。朱鷺のクチバシ、膨らみきってません。大会数日前に突貫工事で仕上げたので、
出来映えは最悪です。芸術センスの無さを露呈しています。
で、この造形物、スポットから落ちるんですね。マシンが第4スポットに当たる力を利用して置いていますし、
構造上置くときの勢いが結構あるため落ちるんです。大会会場ででも大阪府立高専さんにポールとスポットを
貸していただいて何度も置くを練習しました。結局は重りをのせるという荒療治で一通り解決しました。
(上手くスポットに載ったときになぜか飛び上がって喜んでくれた大阪府立の方々)
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マシン一体PP
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で、このメッセージには更におまけ(?)があって・・・。それは、「マシンもメッセージの一部」になる
ということです。これは、全ての造形物をスポットに置いたときに、上昇したマシン本体が各ポールを
中心の第4ポールで結びつけているように見えるためです。メッセージのコンセプトである
「3つの生命を中心で結びつけて〜」を視覚的に表現しているのです。発案者(リーダー児山)がこの形(マシンの)にこだわったのも
そういう理由からです。ポール昇る方法がベタであろうとも(本当は別の方法にしたかった)、この形だけは
譲れませんでした。もちろん、ルール的には何の意味もなさないのですが。そこはクリエイター、そして
メッセージを発する者としてのこだわりです。(だったら造形物Bをもっと凝れば良かったかも…)
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