参加した者だけが分かるロボコンの神髄 下のエッセイ(?)は、2000年のロボコン中に学内誌の原稿として、私が製作期間を削ってまで執筆させられたものです。 ロボコンをやったことのない人に、現実のロボコンとはどんなものなのかを知ってもらおうと思いました。 ロボコンは結構表面的にしか見られてませんからね。ロボコンについては、人によって色々な解釈があると思いますが、 とりあえず、ほとんどの学生はこのような気持ちでロボコンをやっているはずです。 | ||
Aチームリーダー 電子工学科3年 K山Y史
「ロボットコンテストって何ですか?」 テレビで放送される華やかな大会の模様の裏には、約半年という長い長い製作期間 があります。そして、この製作期間こそが真のロボコンだと思うのです。当然、夏休みは全て費やされ、 大会直前には休日出勤、夜は終電ギリギリまで追い込みです。多人数で一つの物を1から創るというのは、 逆に時間がかかるものなのです。各校、各チームにより製作の進め方には違いがありますが、我々のチームでは、 マシンの各パートをそれぞれ個人に担当してもらい、並行して進めるという方針をとっています。 これは、各パートをまとめるのがとても難しく、完成までにかなりの時間がかかる方法なのですが、 これ以上に素晴らしい方法は無いと思います。完成したマシンには、全員のアイディア、技術が詰まっている のですから。ロボコンはチーム全員でやるものです。そして、それが実現したとき、どんなマシンにも 負けない最高のマシンが誕生します。それは試合における強さ、勝ち負けとは全く別の次元の話です。 これは、ロボコンに参加した者にしか分からないかもしれません。その魅力に取り付かれ、我々は今年も またロボコンに参加するのです。仲間同士で1つの物を創り上げる喜び、あなたは体験したことありますか? 製作期間が短ければ、ここまでの喜びは得られないでしょう。
───と、こんなことを言っておきながら、試合には勝って全国大会に出場したいものです。
素晴らしいロボットができたなら、それに結果を持たせたい。大きな舞台に立たせてやりたい。
我々にはその資格があると信じているから。負けても悔いはない───
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