自動制御を本格的に取り込んだルールの2年目。
今年もルールに新たな試みが見て取れる。それは洗濯物干しという実生活の作業をロボットが行う「役に立つロボット」である点。
勿論、今年のルールのマシンがそのまま実際に使えるわけはない。しかしこのような「実際に役立つ動作」を伴うルールはこれまで意識的に避けられていた。
これは、森先生の「役に立つロボットを作ろうとすると発想が画一化する。現実には役に立たないルールであればこそ自由なアイディアが生まれる。」という考えに基づいていたものである。
実際にすぐ使える物でなくとも、数年前には「世界を救わないロボット」と銘打っていた高専ロボコンにとってこの方針転換は大きい。
とはいえ「今後は役に立つものを作ろう」というわけではなく、運営側も常に新しいルールを模索しているということだろう。
前述の画一化の懸念を振り切ってでも採用を決めたのは、今の高専生の発想力に期待したのではと想像する。
また、2016年「ロボット・ニューフロンティア」以来、3年ぶりにVゴール無しルールとなった。
いつもの調子だと「全てに干したらVゴール」とかになりそうなルールではあったが…。
去年に続いてリーグ制で全チーム2試合、更に試合時間は去年の2分から増えて2分半、しかもVゴール無し。
大会時間は長くなる方向だが、試合時間が決まっているので管理しやすいとも言える。判定になったら長引くが。
スピードではなく得点と干し方の美しさが勝敗を決めるので、まずはいかに高得点をとれる干し方をするかがポイントとなる。
予選の満点理論値は20点だが、これを狙ったマシンは1週目の関東甲信越地区ではいなかったようだ。
近畿では奈良や大阪、神戸など数チームが予選20点を狙える仕様になっていた。しかし近畿大会で実現させたのは奈良Bのみである。
今年の近畿大会は全地区大会中2週目で、九州沖縄地区と同日。
主幹校は奈良高専。大和郡山市総合公園 金魚スクエアでの開催も恒例で、1998年以来4回目を数える。
2000年代前半までは地区大会は各校体育館での実施が多かったが、金魚スクエアは奈良高専からも近くキャパもあり使いやすかったのだろう。
近畿大会解説は連続12年務めて頂いた岡山理科大の衣笠先生からついに交代。やはり教授になると忙しいのか。
新解説者は舞鶴高専OBで高専ロボコン経験者の大阪大 南准教授。開会式での挨拶では衣笠先生の後任のプレッシャーを語っていた。
しかし経験者ならではで学生に近い目線での丁寧で詳しい解説は近畿大会らしく、衣笠先生の後を継ぐに相応しいものだったのではないだろうか。
なお南先生は私と同世代のようなので、昔は色々な所でニアミスしていたのでしょう。
司会の狩野アナは去年に続いて2年連続。去年から時に熱く時にユーモラスでなかなか上手かったが、今年は更に磨きがかかり余裕も感じさせた。
近畿大会の中身だが、やはり台風19号の影響から述べねばなるまい。
台風と言えば、2017年も台風の影響で一部の応援団が来られないなどがあった。
その後数年で世の中の考え方も変化し、台風の被害が想定される場合は予め交通機関の運休を決定したり、イベントものは中止することなどが当たり前になってきた。
大型で近畿地区への大きな被害が予想された台風19号も当然無視できず、運営側は厳しい判断を迫られる状況だった。
結果、大会前日の土曜は各チームはホテルで待機。マシンは会場に搬入されたが、梱包すら開けられずそのままの状態で置かれていた。
試合の振り分け抽選はホテルと運営をWeb会議でつないで、運営がサイコロをふるところを動画実況するという初の事態となった。
番組ではSkypeって言ってしまってたけど良いのだろうか。
大会当日の日曜は台風も過ぎた頃だったので、無事近畿大会は開催されることとなった。
しかし学生達は、マシンの調整やテストランを当日の午前中だけ(ただし大会開始は1時間繰り下げ)で行わなければならない。
地力が試される厳しい事態だ。中にはテストランが出来ないまま試合に臨んだチームもあった。
準備の時間が影響したのかどうかは見ている側には分からないが、うまく動かないマシンは昨年よりも多かった。
判定試合も去年の近畿大会ではなんとゼロだったが、今回は全17試合中4試合が判定だった。
また、協賛企業の審査員は台風の影響で来られなかったため、協賛賞のみビデオ審査で後日発表という形になった。
同日程だった九州沖縄地区と共に、大会1か月後の11月18日に発表された。
各校には受賞理由なども添えて連絡があったようである。
一方で大会内容は2年前の台風の時のような大荒れはなく、近年の近畿地区からすると順当に近い結果だったように思う。
優勝は2年ぶり7回目の奈良高専。これで和歌山高専が単独保持していた近畿大会最多優勝の記録に並んだ。
全国出場は16回で和歌山の18回に次いで単独2位である。去年までは15回で舞鶴と同率だった。
なお奈良は2010年代の10大会のうち5回で優勝(準優勝も5回、全国8回)しており、いかに近年の近畿で飛び抜けているかが数字上も見て取れる。
(奈良以外の優勝は、和歌山2回、神戸2回、明石1回)
予選敗退だった奈良Bも予選満点の20点を全国で初めて見せ、技術賞に輝き存在感を見せている。
準優勝は大阪A。そして2012年以来7年ぶりに念願の全国推薦を勝ち取った。全国ブランクは同校最長の6年になっていたが、ついにリセット。
完全復活を果たした。準優勝は2年連続の6回目で、近畿地区では奈良の9回に次いで2番目に多い。
昨年はかなり思い切った自動制御をしたりもしていたが、今年は完成度の高い動きで地区・全国ともにオバチャン旋風を巻き起こした。
推薦2チーム目はマシン名で話題をさらった明石A。アイディア賞も受賞している。これで全国出場は2年連続9回目となった。
明石も2000年代は全国出場が1回で不遇の時代だったが、近年はかなり調子が良く2010年代は5回の全国出場を果たしている。
近大の全国ブランクは13年となった。
エキシビションは今年も混成チーム対決。
青ゾーンは和歌山Aの手動機と舞鶴Aの自動機、赤ゾーンには奈良Bの自動機と明石Bの手動機、自動機に加えてピザ窯が入った。
赤ゾーンはマシンが3台あるため、明石Bのピザ職人はスタートゾーンではなく任意位置に配置。
足回りが動かなかったため手で押して移動させたが、ピザ回し干しを見事3つ成功させた。
試合時間は2分半で1度切られ、一応スコアは赤16-青2だったが、ここでエキシビションの試合結果は洗濯物を早く畳んで台に戻したチームであることが宣言された。
そのための1分間の延長戦がスタート。合計4チームのピットメンバーも一気に押し寄せて洗濯物を回収し畳む光景は壮観だった。
勝敗は南先生の判定を挟み、回収が早かった青チームとなった。
今年も近畿大会の固定カメラライブストリーミング映像がYoutubeにアップされている。
また、全国大会の国技館で公開していた動画は大会後にYoutubeで公開された。
Twitterに上げられていた各チームの動画を編集したものだ。
明石 | A | 明石『超』乾燥 |
アカシィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓放送ではさすがに巻き舌で呼んでくれなかったが、大会実況では若干意識したコールもあった。
地区→全国の改造で劇的に進化し全国屈指の高速マシンとなった。
去年はマシンに360度カメラを取り付けてYoutubeで公開していたが、今年はコントロールステーションがマシンの動きをリアルタイムでツイートするというギミックを仕込んでいた。
練習時もツイートしていたのが面白い。
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マシン機構 |
手動機
洗濯物は上からかき込んで取り込み、洗濯籠に横から押し出す。
斜め上に突き出した2本のアームがバスタオルを干すことも可能。
Tシャツハンガーは自作で、物干し竿の下から押し上げるとロックされる機構が付いている。
全国用にほぼ丸ごと作り直されており、車輪は4輪オムニから3輪に、取り込み後の旋回も不要になり回収速度が格段に向上した。
自動機
巨大な上下パンタグラフ機構がデザイン的にも印象的。
パンタグラフは横ブレが大きく力のかけ方も難しいのでロボコンではあまり使われないが、真ん中にも縦のフレームを入れてかなり安定した筐体に仕上げている。
制御には今年もLet's Noteをそのまま載せている。マシン側面に張り付けたARマーカー(画像コード)をフィールド外のコンロールステーション(Realsense)が画像認識し、マシン位置を把握・調整している。
このコントロールステーションには上記のツイート機能も付いている。
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成績 |
近畿大会 |
予選Bリーグ 第2試合 | 大阪B | waship | 4-0 |
手動機がスムーズに洗濯物を取り込み、自動機がシーツとバスタオルを干しに行こうとしたが途中でバスタオルの保持が外れてしまった。
リトライして再セットする間に手動機がバスタオルを1m竿に横に干した。Tシャツも干そうとしたが、トラブルなのか機構が動かない。
自動機は再スタートしたが時間切れ。バスタオルの4点で勝利。
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予選Bリーグ 第4試合 | 神戸A | 勝ち勝ち山 | 15-8 |
前の試合はトラブルがあったが本試合は順調。洗濯物の取り込みは相手より出遅れたが、バスタオル2つとシーツを持って自動機がスタート。
シーツをスライドさせる際にシーツの保持が外れた上にパンタグラフがシーツに引っかかって洗濯ばさみごと引っ張ってしまい、得点は6点。
バスタオルは1.5m竿に横に干した物のみ得点エリアが1つはみ出してしまったが、手動機での1m竿のバスタオル横干しとTシャツは成功。
合計15点で勝利し決勝トーナメントに駒を進めた。
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準決勝 第2試合 | 奈良A | 飛鳥 | 12-21 |
洗濯物を回収後、手動機と自動機はほぼ同時にスタート。手動機はTシャツを4つ一気に干した。
自動機はバスタオルを1つ横に干してシーツに向かったが洗濯ばさみをつけるところで停止。
リトライはせず手動機でTシャツを4つ追加し追い上げたが相手は21点。相手にもトラブルはあったが、それでも21点をあげる強さは及ばなかった。
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受賞 | アイディア賞 |
全国大会 |
1回戦 第5試合 | 熊本(八代) | 洗匠 | 20-20 (判定0-5) |
自分のバスタオルを相手バスタオルの進行方向に置くことで取り込み妨害を図ったようだが、
八代の取り込みスピードが想像以上に早かったのかあまり効果のない位置に置くにとどまり、相手にもすんなり取られてしまった。
取り込みに出遅れたものの落ち着いてセッティングし、自動機はシーツとバスタオル2つ、手動機はバスタオルとTシャツを1つずつ、ノーミスで1:48で干し終えた。
これは八代よりも早いタイム。両者20点満点で判定となったが、全体的な洗濯物の干し方は八代の方がバランスよく、判定0-5で敗退。
全チーム最速クラスの満点は1回戦で散るには惜しかった。そこを評価されたのだろう、ローム賞受賞。
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受賞 | 特別賞(ローム) |
奈良 | A | 飛鳥 |
今年も全国上位成績マシンはどれも完成度が高かったが、その中でも更に抜きんでた技術力を見せつけ、実に4度目となるロボコン大賞をその手に掴んだ。
昨年は地区予選敗退で全国出場ならなかったが、そのような悔しい思いをした次の年の奈良はとにかく強い。(そうじゃなくても強いけど)
確実に得点を取ることだけでなく、いかに審査員にアピールするかを干し方と技術の両面で考え抜き、辿り着いたのが自動機2台でのシーツ協調干しだった。
更に鳥の翼に見立てたTシャツ一気干しもビジュアル的な見せ場。
これらのアイディアは最初からのものではなく、より判定勝ちを見込める良いマシンを志向し7月頃に方針転換したとのこと。
完成に近づいていたマシンを捨てるのは並大抵の意志では難しい。技術だけでなく魅せる方も万全で、なんていうかもう隙が無い。
自動制御本格導入の2年目にしてマシン同士の連携を見事に実現させ、自動制御ルールの進化は想像以上に早くなるのではと思わされたエポックメイキングなマシンだ。
飛鳥ということで装飾は鳥がモチーフ。メンバーのヘルメットも赤・青・黄の鳥。
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マシン機構 |
2台とも自動マシンで、朱雀と斑鳩という奈良にちなんだ名前が付けられている。
スタート後の手動機の高さ制限は1.3mだが、自動機は3mなので2台とも高く伸びることができる。
これもシーツを干す際の視覚的なインパクトに寄与している。
2台の連携にはBluetooth通信を使用。手動機と自動機の通信はルール上認められていないが、自動機同士ならOK。
マシン同士が衝突しないように(恐らく近接している時だけか?)動作が交互になるよう通信しつつ調整しているらしい。
朱雀
赤い方。主にTシャツシーツの回収と干しを担当。スライドアームを洗濯物の横から引っ掛けて取り込み、下のコンベアで洗濯籠に入れる。
横からアームを入れるため、複数の洗濯物を一気にまとめて取り込むことができる。
一方で、赤青ゾーンによってアームの取り付けを変更する必要がある。
決勝トーナメントでは虹色に染めたTシャツを一気に8枚がけ。マシンの真ん中には鳥(朱雀)の頭が付いていて、アーム兼ハンガーにぶら下がったTシャツは鳥の翼になる。
ハンガー治具は最初は1本に繋がっているが、物干しざおにかかるとばらばらに分離するようになっている。
根元にかなりモーメントがかかるため、ウォームホイールを使用。鳥の頭は、1m竿の下をくぐる際には倒れるようになっている。
バスタオルは両端をつまんで干す。その際下からももう1つのアームで受けとめている。
シーツを干すときは一番奥まで行ってリミットスイッチを当てて位置を調整している模様。
協調干しの場合は、そこでもう1台を呼ぶ。シーツはかなり高い位置まで持ち上げて落としているが、同時に竿と同じ高さにあるハンドもシーツと竿を一緒に掴んでズレ落ちないようにしている。
協調干しだけでなく、単体でもシーツを干すことができる。
自作シーツの片面には飛鳥、もう片面には朱雀・斑鳩のマシン名のロゴが書かれている。
暗めの茶色にしているが、明るい色だと会場ではしわが目立っていたので正解だろう。
斑鳩
青い方。バスタオル担当。ノートPCがのっていて、Realsenseで自分のバスタオルを認識し自動で取り込んでいる。
自チームのバスタオルを識別しやすいよう、色は黄緑にして蛍光塗料で染めて紫外線LEDを照射し発光した光を検出するという徹底ぶり。
取り込みは伸縮アーム。排出機構の出口にはシャッターが付いていて、押し出して洗濯籠に排出する。
バスタオルを干す時に一度上下に振って伸ばしてから干すなど凝っていたが、これは地区大会のみで全国ではやめた模様。
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成績 |
近畿大会 |
予選Dリーグ 第1試合 | 舞鶴A | 洗練卍鶴 | 11-2 |
朱雀でシーツを干しに行くが止まってしまいリトライ。リトライではシートを成功した。
斑鳩はバスタオルを2つ横に干す動作をしたが、実際に干したのは1つだけ。わざとだろうか。
Tシャツ1つ得点を先行されていたが、終了間際にこれらの得点で逆転し勝利。
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予選Dリーグ 第2試合 | 近大 | Xiro | 16-0 |
順調に洗濯物を全て回収し物干し竿へ。シーツは洗濯ばさみがうまく止まらず、横スライド時に引きずってしまい6のみ点。
1.5mと1mの竿にはバスタオルを3つ横に干してこれで+10点。合計16点で勝利。
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準決勝 第2試合 | 明石A | 明石『超』乾燥 | 21-12 |
Tシャツとシーツをまとめて一気取り込み。これは早い。Tシャツ8枚を翼のように広げて1m竿に干したが、片側の翼を下す時に先端が竿に引っかかってしまった。
Tシャツのハンガーは竿にかかるまで一体につながっているので、1つの不具合で片側の4つが全て得点無効となってしまった。
斑鳩はバスタオルを1.5m竿に横2つにかけることに成功。朱雀によるシーツかけも綺麗に成功し21点で勝利。
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決勝 | 大阪A | OSAKA OBASAN | 21-4 |
前試合で引っかかってしまった片側先端のTシャツは問題再発の恐れがあると判断したのだろう。トラブった側の先端はセットせず、Tシャツは7つ干しにとどめた。
こういった試合ごとの判断も奈良の強さの一端と言える。しかし今度は反対側の1つが竿に引っかかり切らなかった。3つ以外は分離に成功したためTシャツは合計4点。
準決勝と同じく斑鳩がバスタオル2枚を横干し、朱雀がシーツを干して合計21点。2年ぶりに近畿地区優勝を奪還した。
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受賞 | 優勝 |
全国大会 |
1回戦 第2試合 | 福島 | 干しに願いを | 20-5 |
朱雀がTシャツとバスタオルを1m竿に干し、シーツはキープしたま一度スタートゾーンに戻り、再スタートして奥まで行って待機。
バスタオル2つを横に1.5m竿に干した斑鳩が横に行って協調干しを開始し、2:20で見事成功させた。協調干しだと洗濯ばさみが無いため見た目も美しい。
1回戦から見せ場を作って勝利。
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2回戦 第2試合 | 鈴鹿 | 物ほっしー☆ | 20-5 |
奈良も鈴鹿も2台とも自動マシン。フィールドには自動マシンしかいない未来の対決が実現した。
1回戦と同様、朱雀がTシャツとバスタオルを干したが、今回は朱雀だけでもシーツを干せるところを見せたようだ。
斑鳩のバスタオル2枚横干しも成功し、2:09で20点満点で勝利。
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準々決勝 第1試合 | 一関 | らび!らん | 23-4 |
ここから準々決勝で得点エリアが増えて満点は25点に。斑鳩がバスタオル2枚を横干しして予定通りその場で停止。朱雀はTシャツ8枚一気干しを初めて見せた。
一度戻ってシーツをセットし、奥まで行って斑鳩を呼んで再度の協調干し。2:14で完了。Tシャツがずれていたのか、最終得点は満点ではなく23点。
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準決勝 第1試合 | 小山B | ホシ鳥夫婦 | 16-25 |
Tシャツ回収時に引きずったのか、リトライ。斑鳩のバスタオル2枚横干しは成功しその場で待機。
Tシャツを終えた朱雀にシーツをセットしスタート。時間的には単独で干すかと思われたが機体はフィールド奥へ。受け渡し部が動いたがシーツは掴んでいない。
単独で干すはずが、協調干しのモードでスタートさせてしまったようだ。Tシャツのリトライが響いた形で16-25で敗退。
しかし協調モードのはずが待機していた斑鳩は動かなかったので、受け渡し部のシーツの有無などの何らかのエラー検知があったのかもしれない。
そうならばそれも唸らせられる仕組みである。
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受賞 | ロボコン大賞、特別賞(本田技研) |
大阪 | A | OSAKA OBASAN |
オバチャンをマシンの個性に仕上げられるのは全国でも大阪だけ!
大阪と言えばオバチャン。オバチャンと言えば大阪。オバサンではだめだ。オバチャンだからこそ大阪なのだ。
2009年「ダンシング・カップル」でもオバチャンバラというマシンでオバチャン旋風を巻き起こしたが、10年の時を経て帰ってきた。
OBASANだが読みはオバチャン。OBACHANにすると文字数が入らなかったからとの噂。
大阪は近年地区大会で思うように動かないことが多かったが、今年は開発体制と計画の見直しとオフシーズンからの技術開発に取り組んだ模様。
そのかいあり7年ぶりの全国大会出場を成し遂げた。よく動く手動機をオバチャンにしたのも功を奏し、地区・全国ともに大きな印象を残した。
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マシン機構 |
手動機
ヒョウ柄の服にネックレス、パーマの髪、真っ赤な口紅。どこからどう見てもオバチャンである。手作り感あふれる装飾がまた良い。
最初は高さ制限のため頭は沈んでいるが、スタート後に上昇する。
3輪オムニで軽快にフィールドを走り回り、2つの手で洗濯物を上下で挟んで回収。Tシャツはハンガーを頭に引っ掛けて干す。
ハンガーは横から竿に押し付けるとロックされるカラビナタイプ。
決勝トーナメント時には前頭部から突き出したフレームに磁石でTシャツをセットし、物干し竿の前で回転しながら干していく。
自動機
2槽ドラム洗濯機を模した、これまたデザイン性の高い機体。重量的には厳しかったらしいが、それでもやり抜いた結果全国デザイン賞につながった。
ドラムが回転しているかのように光るようになっているが、これは状態表示の意味合いもあるようだ。
左右のドラムは個別に昇降し、上まで上がると更に上部の斜めレールがスライドしてシーツやバスタオルを竿に引っ掛ける。
オバチャンはバスタオルをかける機構が無いため、この自動機が3往復してシーツとバスタオルを干す。
その後から自作の洗濯ばさみを引っ掛けて横に伸ばす。洗濯ばさみは板バネで、竿に巻き付く。
マシンがシーツを離す際に、少し下げてから離しているのが綺麗に干す1つのポイントだろう。
また、シーツは畳んだままセットできるので自動機が動き出すまでが非常に早い。
干す前に物干し竿の台座にマシンを押し当て、位置を調整している模様。
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成績 |
近畿大会 |
予選Cリーグ 第1試合 | 奈良B | 奈良ビアンナイト | 18-12 |
まずオバチャンが回収したシーツを自動機が干して9点。次にバスタオル2つを1.5m竿に縦と横で干したが、横干しは洗濯ばさみが引っかからず得点エリアからずれてしまった。
1m竿はバスタオル横干しとTシャツをそれぞれ自動機と手動機で成功させ、合計18点。20点は逃したが、強敵を下しての勝利に涙するメンバーもいた。
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予選Cリーグ 第3試合 | 和歌山A | パーシモンオレンジ | 18-2 |
今回もまずはシーツを取り込み、自動機が干しに行ったが竿の前でリトライ。リトライ後はうまく干して9点獲得。
スタートゾーンに戻った自動機は今度はバスタオル2つをセット。オバチャンはTシャツを3つ1mの竿に干した。
全てのエリアに洗濯物を干し、18点で勝利。
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準決勝 2試合 | 神戸B | 神戸zoo | 19-0 |
自動機はまずシーツを成功させ、次いでバスタオル2つを横干し。
1つは洗濯ばさみがを付ける機構が動作せず、得点エリアがはみ出てしまった上に、2つ目を干し終わるところで停止しリトライ。
しかしオバチャンがTシャツ8つを全て干し大量19点で勝利。
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決勝 | 奈良A | 飛鳥 | 4-21 |
試合開始18秒でシーツの自動機がスタートしたが、竿に辿り着いたところでリトライ。傍目には問題ないように見えたが、シーツの装填に問題があったのだろうか。
50秒で再度スタートしたが、今度はシーツをかけたところで止まってしまった。どうも調子が良くない。
シーツは諦め、バスタオル2枚を干したが2枚ともずれて計4点。終了間際にTシャツを追加しようとしたが間に合わなかった。
2年連続の準優勝。今年も優勝には届かなかったが、審査員推薦で文句なしの全国。
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受賞 | 準優勝 |
全国大会 |
1回戦 第11試合 | 豊田 | 地産地笑 | 16-11 |
相手のバスタオルを奥にずらして妨害成功。しかしシーツを取る時に台の相手側上空に入ってしまったのか反則で15秒停止。
しかし豊田もバスタオルを取る際に大阪のバスタオルを巻き込み落としてしまったためこちらも反則停止。
再スタート後シーツを回収し、自動機で干す。バスタオル2つをセットし再度干しに行ったが1つは竿に落とす時に落ち切らずかけられなかった。
時間がないため、オバチャンが試合終了間際にTシャツ3つを1mに干して追加点をあげ16点で勝利。
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2回戦 第7試合 | 香川(高松) | 澪 | 18-5 |
今回は妨害はせずシーツを回収し自動機がスタート。しかし竿に落としたところで止まってしまいリトライ。リトライ後は成功しバスタオルへ。
ここで相手の高松もシーツ干しの最中にリトライ。今回も1リトライがあったためオバチャンはTシャツ3つ。高松はリトライ後もシーツ時に止まってしまい18-5で勝利。
まず素早くシーツを干すという戦略が功を奏した試合だった。
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準々決勝 第4試合 | 香川(詫間) | again | 25-25 (判定1-4) |
高松に続き今度は詫間と連続香川対決。ここからは黄色の得点エリアが増え最大25点となる。両社妨害が意味のない設計なので、回収の攻防はなし。
シーツとバスタオルを回収後、また上空に入ってしまったのかオバチャン反則。しかし自動機によるシーツとバスタオルは成功。
再始動したオバチャンがTシャツを全て干して2:13で25点獲得。
反則を取られても詫間よりも早く満点を達成したが、判定は1-4。シーツの左右のバランスが少し悪かった。
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受賞 | デザイン賞 |