高専ロボコン 2019年 らん♪ RUN Laundry
全国大会&近畿地区大会結果

ルール
 高さの異なる3つの物干しざおに、Tシャツ、バスタオル、シーツをかけて得点を競う。 物干しざおには黄色い物干しエリアがあり、Tシャツのハンガーはこのエリアに入るように、バスタオルはエリアを覆うように干すと得点となる。 1エリアあたり、Tシャツは1点、バスタオルは2点、シーツは3点。

全国大会
両国国技館
11月24日
優勝 again 香川(詫間)
準優勝 ホシ鳥夫婦 小山B
ベスト4 飛鳥 奈良
クマノミランドリー 産技(品川)
アイディア賞 ハッとトリック!ポッポちゃん! 都城
技術賞 洗匠 熊本(八代)
デザイン賞 OSAKA OBASAN 大阪
アイディア倒れ賞 森のイテェやつら 長野
ロボコン大賞 飛鳥 奈良
特別賞(本田技研) 飛鳥 奈良
特別賞(マブチモーター) 蝸牛
特別賞(安川電機) ハッとトリック!ポッポちゃん! 都城
特別賞(東京エレクトロンFE) 森のイテェやつら 長野
特別賞(田中貴金属) Lambdry 岐阜
特別賞(ローム) 明石『超』乾燥 明石
特別賞(セメダイン) 物ほっしー☆ 鈴鹿
司会 森田 洋平 (アナウンサー)
小島 瑠璃子 (タレント)
審査員 村松 浩幸 (信州大 教授)
伹野 茂 (高専連合会 会長)
佐藤 高彰 (NHK制作局長)
田中 章愛 (ロボットトイ開発者、高専ロボコンOB)
中村 祐一 (クリーニング店三代目、洗濯家)
実況 松岡 忠幸 (アナウンサー)
解説 田所 諭 (東北大 教授)

近畿地区大会
大和郡山市総合公園 金魚スクエア(多目的体育館)
10月13日
優勝 飛鳥 奈良A
準優勝 OSAKA OBASAN 大阪A
ベスト4 明石『超』乾燥 明石A
神戸zoo 神戸B
アイディア賞 明石『超』乾燥 明石A
技術賞 奈良ビアンナイト 奈良B
デザイン賞 勝ち勝ち山 神戸A
特別賞(本田技研) 神戸zoo 神戸B
特別賞(マブチモーター) 洗練卍鶴 舞鶴A
特別賞(安川電機) パーシモンオレンジ 和歌山A
特別賞(東京エレクトロンFE) Xiro 近大A
特別賞(田中貴金属) waship 大阪B
特別賞(ローム) ɒzz!d 明石B
司会 狩野 史長 (アナウンサー)
審査員 小笠原 司 (奈良先端科学技術大学院大 教授)
三木 靖浩 (奈良県産業振興総合センター 生活・産業技術研究部長)
片瀬 直人 (NHK奈良放送局 放送部長)
解説 南 裕樹 (大阪大 准教授)
:全国大会出場

近畿大会概要
自動制御を本格的に取り込んだルールの2年目。 今年もルールに新たな試みが見て取れる。それは洗濯物干しという実生活の作業をロボットが行う「役に立つロボット」である点。 勿論、今年のルールのマシンがそのまま実際に使えるわけはない。しかしこのような「実際に役立つ動作」を伴うルールはこれまで意識的に避けられていた。 これは、森先生の「役に立つロボットを作ろうとすると発想が画一化する。現実には役に立たないルールであればこそ自由なアイディアが生まれる。」という考えに基づいていたものである。 実際にすぐ使える物でなくとも、数年前には「世界を救わないロボット」と銘打っていた高専ロボコンにとってこの方針転換は大きい。 とはいえ「今後は役に立つものを作ろう」というわけではなく、運営側も常に新しいルールを模索しているということだろう。 前述の画一化の懸念を振り切ってでも採用を決めたのは、今の高専生の発想力に期待したのではと想像する。

また、2016年「ロボット・ニューフロンティア」以来、3年ぶりにVゴール無しルールとなった。 いつもの調子だと「全てに干したらVゴール」とかになりそうなルールではあったが…。 去年に続いてリーグ制で全チーム2試合、更に試合時間は去年の2分から増えて2分半、しかもVゴール無し。 大会時間は長くなる方向だが、試合時間が決まっているので管理しやすいとも言える。判定になったら長引くが。 スピードではなく得点と干し方の美しさが勝敗を決めるので、まずはいかに高得点をとれる干し方をするかがポイントとなる。 予選の満点理論値は20点だが、これを狙ったマシンは1週目の関東甲信越地区ではいなかったようだ。 近畿では奈良や大阪、神戸など数チームが予選20点を狙える仕様になっていた。しかし近畿大会で実現させたのは奈良Bのみである。

今年の近畿大会は全地区大会中2週目で、九州沖縄地区と同日。 主幹校は奈良高専。大和郡山市総合公園 金魚スクエアでの開催も恒例で、1998年以来4回目を数える。 2000年代前半までは地区大会は各校体育館での実施が多かったが、金魚スクエアは奈良高専からも近くキャパもあり使いやすかったのだろう。

近畿大会解説は連続12年務めて頂いた岡山理科大の衣笠先生からついに交代。やはり教授になると忙しいのか。 新解説者は舞鶴高専OBで高専ロボコン経験者の大阪大 南准教授。開会式での挨拶では衣笠先生の後任のプレッシャーを語っていた。 しかし経験者ならではで学生に近い目線での丁寧で詳しい解説は近畿大会らしく、衣笠先生の後を継ぐに相応しいものだったのではないだろうか。 なお南先生は私と同世代のようなので、昔は色々な所でニアミスしていたのでしょう。 司会の狩野アナは去年に続いて2年連続。去年から時に熱く時にユーモラスでなかなか上手かったが、今年は更に磨きがかかり余裕も感じさせた。

近畿大会の中身だが、やはり台風19号の影響から述べねばなるまい。 台風と言えば、2017年も台風の影響で一部の応援団が来られないなどがあった。 その後数年で世の中の考え方も変化し、台風の被害が想定される場合は予め交通機関の運休を決定したり、イベントものは中止することなどが当たり前になってきた。 大型で近畿地区への大きな被害が予想された台風19号も当然無視できず、運営側は厳しい判断を迫られる状況だった。 結果、大会前日の土曜は各チームはホテルで待機。マシンは会場に搬入されたが、梱包すら開けられずそのままの状態で置かれていた。 試合の振り分け抽選はホテルと運営をWeb会議でつないで、運営がサイコロをふるところを動画実況するという初の事態となった。 番組ではSkypeって言ってしまってたけど良いのだろうか。 大会当日の日曜は台風も過ぎた頃だったので、無事近畿大会は開催されることとなった。 しかし学生達は、マシンの調整やテストランを当日の午前中だけ(ただし大会開始は1時間繰り下げ)で行わなければならない。 地力が試される厳しい事態だ。中にはテストランが出来ないまま試合に臨んだチームもあった。 準備の時間が影響したのかどうかは見ている側には分からないが、うまく動かないマシンは昨年よりも多かった。 判定試合も去年の近畿大会ではなんとゼロだったが、今回は全17試合中4試合が判定だった。 また、協賛企業の審査員は台風の影響で来られなかったため、協賛賞のみビデオ審査で後日発表という形になった。 同日程だった九州沖縄地区と共に、大会1か月後の11月18日に発表された。 各校には受賞理由なども添えて連絡があったようである。

一方で大会内容は2年前の台風の時のような大荒れはなく、近年の近畿地区からすると順当に近い結果だったように思う。 優勝は2年ぶり7回目の奈良高専。これで和歌山高専が単独保持していた近畿大会最多優勝の記録に並んだ。 全国出場は16回で和歌山の18回に次いで単独2位である。去年までは15回で舞鶴と同率だった。 なお奈良は2010年代の10大会のうち5回で優勝(準優勝も5回、全国8回)しており、いかに近年の近畿で飛び抜けているかが数字上も見て取れる。 (奈良以外の優勝は、和歌山2回、神戸2回、明石1回) 予選敗退だった奈良Bも予選満点の20点を全国で初めて見せ、技術賞に輝き存在感を見せている。 準優勝は大阪A。そして2012年以来7年ぶりに念願の全国推薦を勝ち取った。全国ブランクは同校最長の6年になっていたが、ついにリセット。 完全復活を果たした。準優勝は2年連続の6回目で、近畿地区では奈良の9回に次いで2番目に多い。 昨年はかなり思い切った自動制御をしたりもしていたが、今年は完成度の高い動きで地区・全国ともにオバチャン旋風を巻き起こした。 推薦2チーム目はマシン名で話題をさらった明石A。アイディア賞も受賞している。これで全国出場は2年連続9回目となった。 明石も2000年代は全国出場が1回で不遇の時代だったが、近年はかなり調子が良く2010年代は5回の全国出場を果たしている。 近大の全国ブランクは13年となった。

エキシビションは今年も混成チーム対決。 青ゾーンは和歌山Aの手動機と舞鶴Aの自動機、赤ゾーンには奈良Bの自動機と明石Bの手動機、自動機に加えてピザ窯が入った。 赤ゾーンはマシンが3台あるため、明石Bのピザ職人はスタートゾーンではなく任意位置に配置。 足回りが動かなかったため手で押して移動させたが、ピザ回し干しを見事3つ成功させた。 試合時間は2分半で1度切られ、一応スコアは赤16-青2だったが、ここでエキシビションの試合結果は洗濯物を早く畳んで台に戻したチームであることが宣言された。 そのための1分間の延長戦がスタート。合計4チームのピットメンバーも一気に押し寄せて洗濯物を回収し畳む光景は壮観だった。 勝敗は南先生の判定を挟み、回収が早かった青チームとなった。

今年も近畿大会の固定カメラライブストリーミング映像がYoutubeにアップされている。 また、全国大会の国技館で公開していた動画は大会後にYoutubeで公開された。 Twitterに上げられていた各チームの動画を編集したものだ。

近畿大会出場マシン
舞鶴A洗練卍鶴
 S-kenのユニフォームがあるのに出場メンバー3人のうち2人が黄色いつなぎという目立ちまくりのチーム。もう1着どうにか調達できなかったのか。 今年の舞鶴はいつもの完成度が見られなかった。工程が間に合わなかったのか、テストラン調整がうまくいかなかったのか。 Bチームを見るに世代交代の過渡期のようにも思える。
 エキシビションに自動機が出場。バスタオルを2つかけたかに見えたが、横移動の際に引きずって2つとも落としてしまった。
マシン機構
手動機
 洗濯物を塩ビのローラーで巻き込んで回収。片側のローラーが稼働するようになっていて、挟み込む方向のテンションをゴムでかけている。 洗濯物を溜め込むマシン内部は滑り台構造。出口はスライドシャッターで塞がれており、これを開いて洗濯籠に落とす。 ハンガーは普通の針金ハンガーのようだ。エアシリンダーで持ち上げて物干し竿に引っ掛ける。 足回りはメカナム。黒の段パネで外壁を覆っている。
自動機
 バスタオルとシーツ干し担当。これらの洗濯物の半分ほどはアルミ(?)パイプを巻き込むようにしてセットさせており、マシンはこのパイプを保持する。 これを持ち上げて竿の上からパイプごと落として竿に引っ掛ける。 マシンの下には落ちたパイプを受け止めるためのネットが取り付けられている。 アイディアは面白いが、パイプに洗濯物を巻き込んでセットするため、装填に時間がかかるのがネックか。
成績
近畿大会
予選Dリーグ 第1試合奈良A飛鳥2-11
 手動機がシーツとバスタオルを取り込んだが洗濯籠に入れるのを失敗。自重だけではうまく滑り落ちてくれない。 Tシャツを取りに行き、2つハンガーにセットし物干し竿へ。1つかけたが、その後横に動いた際にマシンが触れて黄色の得点部からずらしてしまった。 もう1つは成功し、一度戻って追加のTシャツも干せた。自動機は動かさなかったので不調だった模様。2-11で敗退。
予選Dリーグ 第3試合近大AXiro1-0
 バスタオル2つとシーツを回収したが、やはり自重落下ではシーツは洗濯籠に入らなかった。 今回は自動機が稼働。バスタオル3つを持って試合終了間際に物干し竿に向かう一方で、手動機がTシャツを1枚干すことに成功。これが決勝点となり勝利。
受賞特別賞(マブチモーター)

舞鶴B洗干屋
 若いチームのようで、調整に苦労していた。練習では動いていたということだが、調整力も含めてまだ過渡期ということだろう。
マシン機構
手動機
 縦に積んだ巨大なエアタンクが目を引く。取り込みはアームを伸ばしてかき込むタイプ。 マシン上部の十字フレームにTシャツハンガーをセットして、エアシリンダで押し出して物干し竿にかける。
自動機
 大会を通して動く映像がなかったため詳細不明。
成績
近畿大会
予選Aリーグ 第1試合明石Bɒzz!d0-0 (判定1-2)
 マシンが動かず、調整を続けたまま試合終了。判定で敗退。
予選Aリーグ 第3試合近大B理点達勝0-0 (判定0-3)
 この試合もマシンは動かず、判定で敗退。
受賞

明石A明石『超』乾燥

 アカシィ↓スゥパァ↑ドゥルァァァァイ↓放送ではさすがに巻き舌で呼んでくれなかったが、大会実況では若干意識したコールもあった。 地区→全国の改造で劇的に進化し全国屈指の高速マシンとなった。 去年はマシンに360度カメラを取り付けてYoutubeで公開していたが、今年はコントロールステーションがマシンの動きをリアルタイムでツイートするというギミックを仕込んでいた。 練習時もツイートしていたのが面白い。
マシン機構
手動機
 洗濯物は上からかき込んで取り込み、洗濯籠に横から押し出す。 斜め上に突き出した2本のアームがバスタオルを干すことも可能。 Tシャツハンガーは自作で、物干し竿の下から押し上げるとロックされる機構が付いている。 全国用にほぼ丸ごと作り直されており、車輪は4輪オムニから3輪に、取り込み後の旋回も不要になり回収速度が格段に向上した。
自動機
 巨大な上下パンタグラフ機構がデザイン的にも印象的。 パンタグラフは横ブレが大きく力のかけ方も難しいのでロボコンではあまり使われないが、真ん中にも縦のフレームを入れてかなり安定した筐体に仕上げている。 制御には今年もLet's Noteをそのまま載せている。マシン側面に張り付けたARマーカー(画像コード)をフィールド外のコンロールステーション(Realsense)が画像認識し、マシン位置を把握・調整している。 このコントロールステーションには上記のツイート機能も付いている。
成績
近畿大会
予選Bリーグ 第2試合大阪Bwaship4-0
 手動機がスムーズに洗濯物を取り込み、自動機がシーツとバスタオルを干しに行こうとしたが途中でバスタオルの保持が外れてしまった。 リトライして再セットする間に手動機がバスタオルを1m竿に横に干した。Tシャツも干そうとしたが、トラブルなのか機構が動かない。 自動機は再スタートしたが時間切れ。バスタオルの4点で勝利。
予選Bリーグ 第4試合神戸A勝ち勝ち山15-8
 前の試合はトラブルがあったが本試合は順調。洗濯物の取り込みは相手より出遅れたが、バスタオル2つとシーツを持って自動機がスタート。 シーツをスライドさせる際にシーツの保持が外れた上にパンタグラフがシーツに引っかかって洗濯ばさみごと引っ張ってしまい、得点は6点。 バスタオルは1.5m竿に横に干した物のみ得点エリアが1つはみ出してしまったが、手動機での1m竿のバスタオル横干しとTシャツは成功。 合計15点で勝利し決勝トーナメントに駒を進めた。
準決勝 第2試合奈良A飛鳥12-21
 洗濯物を回収後、手動機と自動機はほぼ同時にスタート。手動機はTシャツを4つ一気に干した。 自動機はバスタオルを1つ横に干してシーツに向かったが洗濯ばさみをつけるところで停止。 リトライはせず手動機でTシャツを4つ追加し追い上げたが相手は21点。相手にもトラブルはあったが、それでも21点をあげる強さは及ばなかった。
受賞アイディア賞
全国大会
1回戦 第5試合熊本(八代)洗匠20-20 (判定0-5)
 自分のバスタオルを相手バスタオルの進行方向に置くことで取り込み妨害を図ったようだが、 八代の取り込みスピードが想像以上に早かったのかあまり効果のない位置に置くにとどまり、相手にもすんなり取られてしまった。 取り込みに出遅れたものの落ち着いてセッティングし、自動機はシーツとバスタオル2つ、手動機はバスタオルとTシャツを1つずつ、ノーミスで1:48で干し終えた。 これは八代よりも早いタイム。両者20点満点で判定となったが、全体的な洗濯物の干し方は八代の方がバランスよく、判定0-5で敗退。
 全チーム最速クラスの満点は1回戦で散るには惜しかった。そこを評価されたのだろう、ローム賞受賞。
受賞特別賞(ローム)

明石Bɒzz!d
 ピザ職人がピザ回しするマシン。洗濯物を干すルールでどうしてこんなアイディアが出てきたのか。 初期のロボコンを思い起こさせる自由でトリッキーな発想は評価されるべき。 手動機がピザ職人で、洗濯籠はピザ窯の形にするなど、世界観も思いっきり振っている。 マシン名もpizzaを上下逆さまにしてピザマーシと読ませる。最近明石難読マシン多いな。
 今年の明石はAチームが優勝狙い、Bチームが大賞狙いだったそう。最近はそのようなチーム分けの学校も多くある模様。 今後も個性的なアイディアを期待したい。
 近畿大会のエキシビションに登場。 ピザ職人はスタートゾーンではなくフィールドの任意位置からスタートしたが、足回りからうまく動かないようで手で押して移動させていた。
マシン機構
手動機
 2本の腕の人型の上半身に、足のような3輪オムニでロボットらしい姿を実現している。丸い頭にコック帽もかぶせてピザ職人。 片方の手で洗濯物を取り込み、もう片方はピザ回しをするお盆になっている。 Tシャツの中央にはピザの絵がプリントされていて、これを円形のお盆で回転させてピザ回しをする。 ハンガーはなんと板状。手動機がTシャツを取り込んでいる間に自動機が先にハンガーを竿に水平に取り付けておき、ここにTシャツを回転させながら飛ばして載せることで得点する。
自動機
 物干し竿にハンガーをセットするのは自動機の仕事。マシンが縦に伸びてハンガーをセットする。 バスタオルやシーツを干す機構はあるのだろうか? 試合ではハンガーセットはうまく動かず、エキシビションでも手でハンガーを取り付けていた。
成績
近畿大会
予選Aリーグ 第1試合舞鶴B洗干屋0-0 (判定2-1)
 近畿大会の初戦に登場。明石Bは去年も初戦だった。ピザ職人が洗濯物を取り込もうとしたが、うまくいかずフィールド外に落としてしまう。 再度挑戦したがマシンが思うように動かずタイムアップ。判定で辛くも勝利した。
予選Aリーグ 第4試合神戸B神戸zoo0-0 (判定1-2)
 職人のTシャツ取り込みに手間取り、また落としてしまった。判定で敗退。メンバーは負けたことよりもピザを回せていないことを悔やんでいた。 試合ではピザ回しは見せられなかったが、エキシビションに登場。神の手も駆使してピザの回し投げを見せることに成功した。
受賞特別賞(ローム)

奈良A飛鳥

 今年も全国上位成績マシンはどれも完成度が高かったが、その中でも更に抜きんでた技術力を見せつけ、実に4度目となるロボコン大賞をその手に掴んだ。 昨年は地区予選敗退で全国出場ならなかったが、そのような悔しい思いをした次の年の奈良はとにかく強い。(そうじゃなくても強いけど) 確実に得点を取ることだけでなく、いかに審査員にアピールするかを干し方と技術の両面で考え抜き、辿り着いたのが自動機2台でのシーツ協調干しだった。 更に鳥の翼に見立てたTシャツ一気干しもビジュアル的な見せ場。 これらのアイディアは最初からのものではなく、より判定勝ちを見込める良いマシンを志向し7月頃に方針転換したとのこと。 完成に近づいていたマシンを捨てるのは並大抵の意志では難しい。技術だけでなく魅せる方も万全で、なんていうかもう隙が無い。 自動制御本格導入の2年目にしてマシン同士の連携を見事に実現させ、自動制御ルールの進化は想像以上に早くなるのではと思わされたエポックメイキングなマシンだ。
 飛鳥ということで装飾は鳥がモチーフ。メンバーのヘルメットも赤・青・黄の鳥。
マシン機構
 2台とも自動マシンで、朱雀と斑鳩という奈良にちなんだ名前が付けられている。 スタート後の手動機の高さ制限は1.3mだが、自動機は3mなので2台とも高く伸びることができる。 これもシーツを干す際の視覚的なインパクトに寄与している。 2台の連携にはBluetooth通信を使用。手動機と自動機の通信はルール上認められていないが、自動機同士ならOK。 マシン同士が衝突しないように(恐らく近接している時だけか?)動作が交互になるよう通信しつつ調整しているらしい。
朱雀
 赤い方。主にTシャツシーツの回収と干しを担当。スライドアームを洗濯物の横から引っ掛けて取り込み、下のコンベアで洗濯籠に入れる。 横からアームを入れるため、複数の洗濯物を一気にまとめて取り込むことができる。 一方で、赤青ゾーンによってアームの取り付けを変更する必要がある。 決勝トーナメントでは虹色に染めたTシャツを一気に8枚がけ。マシンの真ん中には鳥(朱雀)の頭が付いていて、アーム兼ハンガーにぶら下がったTシャツは鳥の翼になる。 ハンガー治具は最初は1本に繋がっているが、物干しざおにかかるとばらばらに分離するようになっている。 根元にかなりモーメントがかかるため、ウォームホイールを使用。鳥の頭は、1m竿の下をくぐる際には倒れるようになっている。 バスタオルは両端をつまんで干す。その際下からももう1つのアームで受けとめている。 シーツを干すときは一番奥まで行ってリミットスイッチを当てて位置を調整している模様。 協調干しの場合は、そこでもう1台を呼ぶ。シーツはかなり高い位置まで持ち上げて落としているが、同時に竿と同じ高さにあるハンドもシーツと竿を一緒に掴んでズレ落ちないようにしている。 協調干しだけでなく、単体でもシーツを干すことができる。
 自作シーツの片面には飛鳥、もう片面には朱雀・斑鳩のマシン名のロゴが書かれている。 暗めの茶色にしているが、明るい色だと会場ではしわが目立っていたので正解だろう。
斑鳩
 青い方。バスタオル担当。ノートPCがのっていて、Realsenseで自分のバスタオルを認識し自動で取り込んでいる。 自チームのバスタオルを識別しやすいよう、色は黄緑にして蛍光塗料で染めて紫外線LEDを照射し発光した光を検出するという徹底ぶり。 取り込みは伸縮アーム。排出機構の出口にはシャッターが付いていて、押し出して洗濯籠に排出する。 バスタオルを干す時に一度上下に振って伸ばしてから干すなど凝っていたが、これは地区大会のみで全国ではやめた模様。
成績
近畿大会
予選Dリーグ 第1試合舞鶴A洗練卍鶴11-2
 朱雀でシーツを干しに行くが止まってしまいリトライ。リトライではシートを成功した。 斑鳩はバスタオルを2つ横に干す動作をしたが、実際に干したのは1つだけ。わざとだろうか。 Tシャツ1つ得点を先行されていたが、終了間際にこれらの得点で逆転し勝利。
予選Dリーグ 第2試合近大Xiro16-0
 順調に洗濯物を全て回収し物干し竿へ。シーツは洗濯ばさみがうまく止まらず、横スライド時に引きずってしまい6のみ点。 1.5mと1mの竿にはバスタオルを3つ横に干してこれで+10点。合計16点で勝利。
準決勝 第2試合明石A明石『超』乾燥21-12
 Tシャツとシーツをまとめて一気取り込み。これは早い。Tシャツ8枚を翼のように広げて1m竿に干したが、片側の翼を下す時に先端が竿に引っかかってしまった。 Tシャツのハンガーは竿にかかるまで一体につながっているので、1つの不具合で片側の4つが全て得点無効となってしまった。 斑鳩はバスタオルを1.5m竿に横2つにかけることに成功。朱雀によるシーツかけも綺麗に成功し21点で勝利。
決勝大阪AOSAKA OBASAN21-4
 前試合で引っかかってしまった片側先端のTシャツは問題再発の恐れがあると判断したのだろう。トラブった側の先端はセットせず、Tシャツは7つ干しにとどめた。 こういった試合ごとの判断も奈良の強さの一端と言える。しかし今度は反対側の1つが竿に引っかかり切らなかった。3つ以外は分離に成功したためTシャツは合計4点。 準決勝と同じく斑鳩がバスタオル2枚を横干し、朱雀がシーツを干して合計21点。2年ぶりに近畿地区優勝を奪還した。
受賞優勝
全国大会
1回戦 第2試合福島干しに願いを20-5
 朱雀がTシャツとバスタオルを1m竿に干し、シーツはキープしたま一度スタートゾーンに戻り、再スタートして奥まで行って待機。 バスタオル2つを横に1.5m竿に干した斑鳩が横に行って協調干しを開始し、2:20で見事成功させた。協調干しだと洗濯ばさみが無いため見た目も美しい。 1回戦から見せ場を作って勝利。
2回戦 第2試合鈴鹿物ほっしー☆20-5
 奈良も鈴鹿も2台とも自動マシン。フィールドには自動マシンしかいない未来の対決が実現した。 1回戦と同様、朱雀がTシャツとバスタオルを干したが、今回は朱雀だけでもシーツを干せるところを見せたようだ。 斑鳩のバスタオル2枚横干しも成功し、2:09で20点満点で勝利。
準々決勝 第1試合一関らび!らん23-4
 ここから準々決勝で得点エリアが増えて満点は25点に。斑鳩がバスタオル2枚を横干しして予定通りその場で停止。朱雀はTシャツ8枚一気干しを初めて見せた。 一度戻ってシーツをセットし、奥まで行って斑鳩を呼んで再度の協調干し。2:14で完了。Tシャツがずれていたのか、最終得点は満点ではなく23点。
準決勝 第1試合小山Bホシ鳥夫婦16-25
 Tシャツ回収時に引きずったのか、リトライ。斑鳩のバスタオル2枚横干しは成功しその場で待機。 Tシャツを終えた朱雀にシーツをセットしスタート。時間的には単独で干すかと思われたが機体はフィールド奥へ。受け渡し部が動いたがシーツは掴んでいない。 単独で干すはずが、協調干しのモードでスタートさせてしまったようだ。Tシャツのリトライが響いた形で16-25で敗退。 しかし協調モードのはずが待機していた斑鳩は動かなかったので、受け渡し部のシーツの有無などの何らかのエラー検知があったのかもしれない。 そうならばそれも唸らせられる仕組みである。
受賞ロボコン大賞、特別賞(本田技研)

奈良B奈良ビアンナイト
 全国で初めて予選満点の20点を達成した、こちらも鬼性能のマシン。 2台自動ではないようだが、自動機も洗濯物回収ができるようになっていて、制御的には攻めている。 予選同グループに大阪Aがおり、直接対決でミスが出たために次の試合で満点を決めたものの決勝トーナメント進出はならなかった。 代わりにエキシビションに出場し、シーツとタオルをスムーズに干した。
 予選20点の実現で納得の技術賞。奈良の近畿大会技術賞は9年ぶりだが、その間は殆どが優勝か準優勝だったため、単に3賞の余地がなかっただけとも言える。
 マシンはアラビアンナイトがモチーフということで、メンバーはヘルメットの上にターバンを模した布を巻いていたり、 手元の遠隔非常停止スイッチは魔法のランプを模っているなど工夫している。
マシン機構
手動機
 幅の広い大型の取り込み機構を上から洗濯物に被せて取り込む。 干す機構は、1m竿のバスタオルとTシャツ用のものを装備。オリジナルTシャツは夜空をイメージしている模様。
自動機
 シーツとバスタオルを前後に持った昇降アームで洗濯物を干す。 下にはバスタオルを保持しておくためのアームもあり、2つ干した後はここから受け取って次のバスタオルを干す。 人の手でセットしなくて済むためスタートゾーンに戻る必要がないが、マシン内で柔らかい物を受け渡すのはリスクもある。 それでもその手を取り実現させるあたりはさすが。
成績
近畿大会
予選Cリーグ 第1試合大阪AOSAKA OBASAN12-18
 2台で素早く洗濯物を回収。手動機で1m竿にバスタオルを横干しし、そのまま横にスライドしてTシャツも得点。 同時に自動機はシーツ干しに向かったが、洗濯ばさみがひっかからず3点にとどまってしまった。 バスタオルは1.5m竿に縦と横に干したものの、横干しは片側の得点エリアを隠し切れず。 相手の大阪Aはシーツを成功させており、この差が響いて敗退となった。
予選Cリーグ 第2試合和歌山Aパーシモンオレンジ20-0
 手動機が1m竿の横バスタオルとTシャツを、自動機がシーツと1.5m竿の縦横バスタオルをノーミスで丁寧に干してパーフェクト。 これが全地区初めての予選20点達成となった。 試合には勝利したが、同リーグの大阪Aが2勝したため決勝トーナメントには進めず、メンバーからも喜びの表情は見えなかった。
受賞技術賞

和歌山Aパーシモンオレンジ
 どこよりシーツを綺麗に干すことを目指した。そのためのアイディアが面白い。 まず自動機で物干し竿にシーツを引っ掛けてから、手動機が下から摘まんで横に引っ張りながら下からファンで風を送ってしわを伸ばすというもの。 試合で披露できていればアイディア賞もあっただろう。エキシビションに手動機が出場しタオルとTシャツを担当した。
 マシンにはみかんが載っている。Tシャツももちろんオレンジ色。
マシン機構
手動機
 本物そっくりのミカン箱デザインで和歌山らしさ満点。青プラダンで青色が基調になっている。 回転する4つのローラーを上から洗濯物に押し付けてマシン側面に展開したトレイに取り込む。 斜め上に突き出すアームがあり、これでTシャツかける。 また、シーツの下端を摘まむための機構2つと、上を向いたファンを持つ。シーツの下端を持つので、自動の高さでも可能。 これでシーツを横に引っ張りながら下から風を送る。風を送る以上シーツを2端とも掴まなければいけないのがなかなか難しそうだ。
自動機
 昇降アームの上に大きな洗濯物保持フレームが付いており、シーツとバスタオルを少なくとも3つ持てる。 シーツは畳んだまま竿に落として引っ掛けるだけで、広げるのは手動機なので機構的には少し楽になっているはず。
成績
近畿大会
予選Cリーグ 第2試合奈良B奈良ビアンナイト0-20
 洗濯物をローラーで2つ一気に取り込んだが1つトレイで受けきれず落としてしまい一度やり直し。 回収後に自動機はシーツを干しに。ところが物干し竿の手前で止まってしまいリトライ。そのままタイムアップ。
予選Cリーグ 第3試合大阪AOSAKA OBASAN2-18
 今回は洗濯物の取り込みは順調で、自動機もシーツとバスタオル2つを持ってスタート。 シーツを物干し竿に落として引っ掛けられたが、そこで停止してしまった。 一方の手動機はTシャツを2つ干して2点を返したが相手は18点。
受賞特別賞(安川電機)

和歌山Bラン鳥
 こちらもマシンの外装に青のプラダン。自動制御には苦戦していたようだ。
マシン機構
手動機
 上から見ると長方形の角が欠けたような形をしている。この欠けた面が洗濯が置かれた台に接する。 洗濯物は招き猫のように先端が稼働するアームでかきこんでプラダンの箱に入れ、そのまま勢いよく横にスライドさせて洗濯籠に排出する。 一度では出し切れないこともあるが、勢いはあるので何度も動かせばしっかり排出可能。 Tシャツのハンガーは、針金ハンガーの引っ掛ける部分にT字型のパーツを付けた物。 手動機のアームの先に複数セットするようになっており、ラックピニオンでバーをスライドすることで1つずつ竿に落ちる。
自動機
 昇降アームで干すタイプ。
成績
近畿大会
予選Bリーグ 第1試合神戸A勝ち勝ち山1-16
 手動機が2つTシャツを竿にかけようとしたが、1つ目に干したTシャツが2つ目と引っかかりずれてしまった。 2つ目は得点エリアにうまく引っかかり1点。自動機はバスタオルを持ってスタートしたが途中で停止しリトライ。2度目は奥まで行ったがそこで試合終了。
予選Bリーグ 第3試合大阪Bwaship0-0 (判定3-0)
 手動機による洗濯物の取り込みは成功したがその後が続かず。そこまでは動けていたため判定で勝利した。
受賞

大阪AOSAKA OBASAN

 オバチャンをマシンの個性に仕上げられるのは全国でも大阪だけ! 大阪と言えばオバチャン。オバチャンと言えば大阪。オバサンではだめだ。オバチャンだからこそ大阪なのだ。 2009年「ダンシング・カップル」でもオバチャンバラというマシンでオバチャン旋風を巻き起こしたが、10年の時を経て帰ってきた。 OBASANだが読みはオバチャン。OBACHANにすると文字数が入らなかったからとの噂。
 大阪は近年地区大会で思うように動かないことが多かったが、今年は開発体制と計画の見直しとオフシーズンからの技術開発に取り組んだ模様。 そのかいあり7年ぶりの全国大会出場を成し遂げた。よく動く手動機をオバチャンにしたのも功を奏し、地区・全国ともに大きな印象を残した。
マシン機構
手動機
 ヒョウ柄の服にネックレス、パーマの髪、真っ赤な口紅。どこからどう見てもオバチャンである。手作り感あふれる装飾がまた良い。 最初は高さ制限のため頭は沈んでいるが、スタート後に上昇する。 3輪オムニで軽快にフィールドを走り回り、2つの手で洗濯物を上下で挟んで回収。Tシャツはハンガーを頭に引っ掛けて干す。 ハンガーは横から竿に押し付けるとロックされるカラビナタイプ。 決勝トーナメント時には前頭部から突き出したフレームに磁石でTシャツをセットし、物干し竿の前で回転しながら干していく。
自動機
 2槽ドラム洗濯機を模した、これまたデザイン性の高い機体。重量的には厳しかったらしいが、それでもやり抜いた結果全国デザイン賞につながった。 ドラムが回転しているかのように光るようになっているが、これは状態表示の意味合いもあるようだ。 左右のドラムは個別に昇降し、上まで上がると更に上部の斜めレールがスライドしてシーツやバスタオルを竿に引っ掛ける。 オバチャンはバスタオルをかける機構が無いため、この自動機が3往復してシーツとバスタオルを干す。 その後から自作の洗濯ばさみを引っ掛けて横に伸ばす。洗濯ばさみは板バネで、竿に巻き付く。 マシンがシーツを離す際に、少し下げてから離しているのが綺麗に干す1つのポイントだろう。 また、シーツは畳んだままセットできるので自動機が動き出すまでが非常に早い。 干す前に物干し竿の台座にマシンを押し当て、位置を調整している模様。
成績
近畿大会
予選Cリーグ 第1試合奈良B奈良ビアンナイト18-12
 まずオバチャンが回収したシーツを自動機が干して9点。次にバスタオル2つを1.5m竿に縦と横で干したが、横干しは洗濯ばさみが引っかからず得点エリアからずれてしまった。 1m竿はバスタオル横干しとTシャツをそれぞれ自動機と手動機で成功させ、合計18点。20点は逃したが、強敵を下しての勝利に涙するメンバーもいた。
予選Cリーグ 第3試合和歌山Aパーシモンオレンジ18-2
 今回もまずはシーツを取り込み、自動機が干しに行ったが竿の前でリトライ。リトライ後はうまく干して9点獲得。 スタートゾーンに戻った自動機は今度はバスタオル2つをセット。オバチャンはTシャツを3つ1mの竿に干した。 全てのエリアに洗濯物を干し、18点で勝利。
準決勝 2試合神戸B神戸zoo19-0
 自動機はまずシーツを成功させ、次いでバスタオル2つを横干し。 1つは洗濯ばさみがを付ける機構が動作せず、得点エリアがはみ出てしまった上に、2つ目を干し終わるところで停止しリトライ。 しかしオバチャンがTシャツ8つを全て干し大量19点で勝利。
決勝奈良A飛鳥4-21
 試合開始18秒でシーツの自動機がスタートしたが、竿に辿り着いたところでリトライ。傍目には問題ないように見えたが、シーツの装填に問題があったのだろうか。 50秒で再度スタートしたが、今度はシーツをかけたところで止まってしまった。どうも調子が良くない。 シーツは諦め、バスタオル2枚を干したが2枚ともずれて計4点。終了間際にTシャツを追加しようとしたが間に合わなかった。
 2年連続の準優勝。今年も優勝には届かなかったが、審査員推薦で文句なしの全国。
受賞準優勝
全国大会
1回戦 第11試合豊田地産地笑16-11
 相手のバスタオルを奥にずらして妨害成功。しかしシーツを取る時に台の相手側上空に入ってしまったのか反則で15秒停止。 しかし豊田もバスタオルを取る際に大阪のバスタオルを巻き込み落としてしまったためこちらも反則停止。 再スタート後シーツを回収し、自動機で干す。バスタオル2つをセットし再度干しに行ったが1つは竿に落とす時に落ち切らずかけられなかった。 時間がないため、オバチャンが試合終了間際にTシャツ3つを1mに干して追加点をあげ16点で勝利。
2回戦 第7試合香川(高松)18-5
 今回は妨害はせずシーツを回収し自動機がスタート。しかし竿に落としたところで止まってしまいリトライ。リトライ後は成功しバスタオルへ。 ここで相手の高松もシーツ干しの最中にリトライ。今回も1リトライがあったためオバチャンはTシャツ3つ。高松はリトライ後もシーツ時に止まってしまい18-5で勝利。 まず素早くシーツを干すという戦略が功を奏した試合だった。
準々決勝 第4試合香川(詫間)again25-25 (判定1-4)
 高松に続き今度は詫間と連続香川対決。ここからは黄色の得点エリアが増え最大25点となる。両社妨害が意味のない設計なので、回収の攻防はなし。 シーツとバスタオルを回収後、また上空に入ってしまったのかオバチャン反則。しかし自動機によるシーツとバスタオルは成功。 再始動したオバチャンがTシャツを全て干して2:13で25点獲得。 反則を取られても詫間よりも早く満点を達成したが、判定は1-4。シーツの左右のバランスが少し悪かった。
受賞デザイン賞

大阪Bwaship
 warshipならぬwaship。海賊船をモチーフにしており、メンバーのヘルメットも海賊帽や大砲のデザイン。 今年は大阪は開発体制の改革に取り組んだようだが、完成度はAチームとBチームで大きな差が出てしまっている。 奇抜なアイディアに挑戦した結果だろうか。試合でも最後まで洗濯物を飛ばすことにこだわっていた。
マシン機構
手動機
 取り込んだ洗濯物を定加重パネの打ち出し機構で洗濯籠まで飛ばして受け渡す。飛ばしやすいようシーツは予め丸めてある。 洗濯籠は底面が斜めになっていて的も描いてあるなど手をかけている。この洗濯籠の側面には車輪が付いていて、持ち運びがしやすいよう工夫されている。 海賊船ということで海賊旗付き。
自動機
 何やらオレンジ色の布をまとっている。動きを見せるシーンがなかったので詳細不明。
成績
近畿大会
予選Bリーグ 第2試合明石A明石『超』乾燥0-4
 シーツを取り込んで洗濯籠に向け発射したが届かず再挑戦。2回目は少し引っかかったものの籠に全て入れるには至らなかった。
予選Bリーグ 第3試合和歌山Bラン鳥0-0 (判定0-3)
 丸めたシーツが取り込み機構に詰まって機構が動かなくなりリトライ。 2度目は取り込めて、洗濯籠に向かってシーツを撃ち出したがやはり届かず。最後までシーツ撃ちに挑戦したが判定で敗退。
受賞特別賞(田中貴金属)

神戸A勝ち勝ち山
 現役による解説はこちら(神戸高専ロボ研ロボコンチームwebサイト)。
 童話リーズ第3弾。さるかに合戦、三匹の子豚と来て今年はカチカチ山。自動機のウサギと手動機のタヌキが猛スピードでフィールドを走り回る。 リーダーが初夢でウサギのロボットが走り回るのを見たのが基になっているが、実際にその時見たのはウサギと亀だったらしい。 最近恒例の凝ったデザインヘルメットは2人がタヌキで、1人がウサギ。 マシンに大きくデザインされたウサギとタヌキ、そしてヘルメットも含めた装飾の世界観でデザイン賞。 神戸のデザイン賞は2006年「ふるさと自慢特急便」以来なんと13年ぶり。
 夏休みには2分前半で満点出せるようになっており、洗濯物のセットにも練習を重ねた手際の良さが見られた。 近畿大会では動き回ってガンガン点を取れるマシンとして大いに活躍したが予選敗退。 マシン自体の安定性の詰めの隙が本番に現れてしまった形だ。
マシン機構
手動機
 タヌキの方。バスタオルを摘まんで保持するアームが左右に2本と、シーツTシャツ用の幅広アームが真ん中1つ。 幅広アームはタヌキの顔にもなっていて、台の上からシーツやTシャツをまとめてがっしり掴む。 Tシャツハンガーを引っ掛けるアームはスタートと同時に上昇。ハンガーは普通プラスチックハンガーに短いアルミ角パイプを水平に付けた物。 このパイプをマシン側の受けパイプに刺しておいて、マシンが物干し竿の下を横切ると引っかかる単純機構。 洗濯籠のふちには洗濯物をかごに引っかかるようとげのようなものが付いている。
自動機
 魔法少女に勧誘してきそうな表情のウサギ。白段パネでマシンの側面にウサギをデザインしている。 バスタオルとシーツ用に昇降アームを2つ備えている。どちらも片側を洗濯ばさみで止めてから横に広げていく。 スピードに物を言わせ、この1台でシーツと3枚のバスタオルを全て干す。 あまりの移動スピードに対して位置制御が甘く、オーバーシュートしまくりで昇降アームも大きく揺れているが、それでもちゃんと干せているのでこれはもう割り切っているのかもしれない。

成績
近畿大会
予選Bリーグ 第1試合和歌山Bラン鳥16-1
 タヌキがバスタオル2つとシーツを取り込み、ウサギはまずバスタオルを1枚横干し。その間にタヌキが残りの洗濯物も回収し、Tシャツを1つ1m竿にかけた。 戻ってきたウサギにシーツをセットし干して、再度戻ってバスタオル2つをセット。 終了間際に1.5m竿に横と縦に2つとも干して、リトライも無く予選満点コースを完了。 実況も思わず「20点満点!」と叫んだが、黄色の得点エリアを覆えていない部分がいくつかあったため、実際の得点は16点。 Tシャツを干した後のタヌキには予備として次のTシャツがセットされており、カバーアクションも含めて周到に準備されていたことが伺える。
予選Bリーグ 第4試合明石A明石『超』乾燥8-15
 スピードのあるマシン同士の対決。洗濯物の回収はタヌキが先に素早く終え、ウサギが動くよりも早くTシャツ1つもあっという間に干した。 ウサギは物干し竿手前で痛恨のリトライ。このままでは追い上げが厳しいと判断し、タヌキはTシャツの追加を2つ干す。 リトライ後のウサギはシーツをうまく広げられず3点。バスタオルを1つ追加で干したがリトライが祟り得点は8点にとどまり、敗退。 総得点は予選Bグループ最大だったが、勝利数が1なので決勝トーナメントには進めなかった。
受賞デザイン賞

神戸B神戸zoo
 現役による解説はこちら(神戸高専ロボ研ロボコンチームwebサイト)。
 まさかのデュアルマスタースレーブ。手動機には4つの多関節アームが生えていて、2人の操縦者で操縦する。 しかも自動機と合体してバスタオルやシーツを干す。今年のBチームはロマン型と聞いてはいたが、ここまでロマンを欲張りに詰め込みまくるとは思ってもみなかった。 作りたいものを思うままに作ったといった印象。 ここまで詰め込むとさすがに完成度に至らないところはあったが、全体破綻はせずデュアルマスタースレーブも機能しており、相当な技術力の進歩が垣間見える。
 ヘルメットは鳥(種類はよく分からない)とパンダ。なお神戸で動物園と言えば王子動物園である。
 ホンダ賞が初めて設けられた2002年「プロジェクトBOX」以来、17年ぶりの神戸高専としての近畿大会ホンダ賞。なお2002年のホンダ賞は筆者が最後に製作したマシンである。
マシン機構
手動機

 5軸の多関節アーム4本で洗濯物を掴み、そして干す。 マスターコントローラはリュックと一体で製作されていて、これを装着した姿はかなりかっこいい。 リュックは2つとも2017年のロボコン30周年ホンダリュック。これもホンダ賞につながったか?ホンダはロマン好きだから関係ないか。 先端のハンドは操縦者の手のグリップ部分のスイッチで操作している模様。 動物の頭が装飾で載っているが、モデルは有袋類?
自動機
 試合では動くところが無かったが、合体した手動機を持ち上げるリフトが付いている。 手動機の高さを上げて、手動機のアームで洗濯物を干すという、小山Bと同じような動きになるとみられる。
成績
近畿大会
予選Aリーグ 第2試合近大B理点達勝1-0
 ゆっくりとした動き出しで慎重にバスタオルとTシャツを掴むことに成功。洗濯籠に入れて操縦者2人でTシャツ1つをセット。 これを試合終了間際に何とかかけて1点得点に成功。ロマン型でも見事得点で勝利した。
予選Aリーグ 第4試合明石Bɒzz!d0-0 (判定2-1)
 今回もTシャツ1つに絞って回収。洗濯籠には入れられたがリトライ?再度動き出したがタイムアップで判定。相手よりも動けていたため勝利。 グループ分けの運もあったが、ロマン型ながら決勝トーナメント進出となった。
準決勝 第1試合大阪AOSAKA OBASAN0-19
 マシンの調子が悪くリトライ調整を繰り返してしまう。なんとかTシャツを2つを持ち上げたが、干すところまではいけなかった。
受賞特別賞(本田技研)

近大AXiro
 マシンの読みはシーロ。近大らしいシンプルかつロボットらしいデザインと外装が今年も印象的だ。 自己位置検知にはガタツキもあったが、移動はスピーディーなシーンも見られた。
マシン機構
手動機
 デザイン性をもって配色された黒と赤の段パネ外装が目を引く。マシンには回収乱麻と書いてある。 足回りはメカナム。コンベアを洗濯物に上から押し付けて回収する。 内部にもコンベアがあり、これを動かして洗濯籠に送り出す。 これらに使われている緑色のコンベアは去年のK.afeの手動機の撃ち出し機構に使われていたものと同じに見える。 動作する時のキュイーンという音も昨年同様。 Tシャツのハンガーは自作で、竿の下から押し上げると引っかかるタイプ。
自動機
 マシンに勝鬨と書いてある。板にバスタオルを平たく載せておき、竿の上からパタンとかける。 洗濯ばさみはないので、バランスよく載らないと落ちやすい。シーツを干す機構がないように見えるがどうなのか。
成績
近畿大会
予選Dリーグ 第2試合奈良A飛鳥0-16
 バスタオルを1つ回収したが洗濯籠に入れきることができなかった。 リトライで回収し、自動機で物干し竿にうまくかけたと思ったが、隅がマシンに引っかかっており竿から外れてしまった。0点で敗退。
予選Dリーグ 第3試合舞鶴A洗練卍鶴0-1
 今度はバスタオルを上手く回収、自動機でトライ。しかしうまくかけることはできなかった。。
受賞特別賞(東京エレクトロン)

近大B理点達勝
 マシンの読みはリテンタッショウ。判定ではあるものの、2013年「Shall We Jump?」以来近大としての6年ぶりの勝利を得た。
マシン機構
手動機
 スパイラルチューブ付きアームで洗濯物を取り込む模様?取り込むシーンは見られなかったので正確なことは不明。
自動機
 オレンジ色の外装パネルがまるで昆虫のようだ。でっかくグラリスと書いてある。動くシーンが無かったので詳細は不明。
成績
近畿大会
予選Aリーグ 第2試合神戸B神戸zoo0-1
 手動機、自動機共に調整でほぼ動けないまま終了。
予選Aリーグ 第3試合舞鶴B洗干屋0-0 (判定3-0)
 手動機のアームが伸びたがそこから動けず。少しは動いたためか、判定で勝利。
受賞

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