高専ロボコン 1990年 ニュートロンスター
大会結果

ルール
 直径6mの接地禁止リングの中心にある直径2mの得点リング内にバスケットボールを入れた数を競う。用意されたボールは各チーム18個。

本大会
8月22日
東京都渋谷区代々木第二体育館
優勝 テト坊 仙台電波
準優勝 スットンノビノビ号 久留米
ベスト4 たまころがし号 有明
ピカボー 育英
アイディア賞 ピカボー 育英
くにびき君 松江
アイディア倒れ賞 2M1号 茨城
ニュートロンスターに賭ける橋 豊田
ビックモッコス 八代
司会 合田 敏行 (アナウンサー)
大島 智子 (アナウンサー)
審査員長 森 政弘 (東工大 名誉教授)
審査員 小林 彬 (東工大 教授)
黒鉄 ヒロシ (漫画家)
新井 素子 (SF作家)
Harry West (アメリカ マサチューセッツ工科大 助教授)
Ken Wallace (イギリス ケンブリッジ大)
Achim Weidmann (西ドイツ ダルムシュタット工科大)

大会概要
初めて全国62の高専全てが参加した第3回。 全ての高専とは、1990年で閉校した桐蔭高専や、2009年に本科閉校した札幌市立高専も含む(沖縄高専は2004年開校のため含まれない)。 桐蔭高専にとってはこれが唯一の参加大会。残念ながら桐蔭は予選落ちのためどのようなマシンだったか不明。

開催日は8月22日と、今にしてみると早い。 これまでは全て8月開催だったが、国技館開催となる第4回 1991年「ホットタワー」からは11月開催となった。 これは、同じく国技館で開催される大相撲との干渉を避けたためだろう。

参加マシンは各校1チーム。地区大会はなく、全参加チームで1対1の予選を行い、勝った方が本戦に進めるという形式。 この予選は西日本ブロックと東日本ブロックに分けられていた。 フィールドは2つ用意されており、予選は同時進行で行われたと思われる。 本戦では2つのフィールドを交互に使用した。 32チームが本戦に進み、全て1回戦から戦ったのでトーナメントが超巨大。放送ではほぼ本戦のみ映されており、予選は数分のダイジェストだった。 近畿からの本戦出場チームは2。今では考えられないが、なんとアイディア倒れ賞が3つ。

近畿地区からの大会出場マシン
舞鶴 つるつるバッファロー
予選落ちのため詳細不明。

明石 一撃必中!マッハシューター
予選落ちのため詳細不明。

奈良 ゴールドフィッシュ号
 奈良高専のロボコン初マシン。予選落ちのため詳細不明。
 全国大会放送ではダイジェストで予選落ちチームの写真が紹介されており、そこには大きな赤い金魚のようなオブジェが写っている。 これがマシンなのかただの応援用装飾なのかは分からない。 奈良高専のある大和郡山市は金魚の生産で有名で、奈良高専も事ある毎にオブジェの題材として用いている。 それは古く第3回から始まっていたようだ。

和歌山 和歌山ええとこつれもていこら
 4つのボールに乗る玉乗り式のマシン。玉乗り型のマシンはいくつかあったが、大会放送ではその中で初めて登場した。 他の玉乗り型はボールの間隔が短い物が殆どだったが、このマシンは左右のボールの間隔が大きい。 仙台電波 テト坊のように駆動輪のステアリング機構は付いていない。
 本戦1回戦では宮城 とぶぞうに4-1で勝利。2回戦の茨城 2M1号戦では、橋型の2M1号に対し橋の出口をマシンで塞ぐという機転を見せ勝利。 3回戦では同じ球乗り型の有明 たまころがし号と対戦。たまころがし号はボール3つに乗るタイプのため和歌山有理かと思われたが、ボール4つを集めるのに手間取ってしまい、 制限時間ぎりぎりで得点リングに入れず敗退。
 第3回にしてようやく近畿勢初のベスト8入りを果たしたのは近畿の雄、和歌山だった。近畿勢がこの成績を越えるのは4年後の1994年「スペースフライヤー」まで待たねばならない。

大阪 ダイナマイトパンチロボ
 大阪府立高専のロボコン初マシン。予選落ちだがダイジェストで映った数少ないマシンの1つ。ただし映った理由は、試合中にマシンが崩壊したからで、マシンの詳細は不明。 スタート時は大きな橋のようなフレームを垂直に立てており、これをボール側に倒して何かをどうにかするはずだったのだが、 展開中にフレーム全体がひん曲がって派手に崩壊。後ろに居たメンバー達は文字通り笑い転げてしまっていた。 しかししかし翌年は近畿地区大会を制し全国出場を果たした。

神戸 摩耶大橋
 本戦出場チーム中最大、全長8mに展開するアーム型マシン。 三角状の本体から前後にアームが展開し、前のアームの先端についたお椀のような金具でボールを保持し、得点リングに入れる。 アームの先端はボールを掴めるようになっており、本体がワイヤーを巻いてアームごと持ち上げて相手のボールを押し出す。 後ろのアームはカウンターウェイト。大きいだけあって動作はかなり遅い。
 予選ではどのような動きをしたのか不明だが、無事突破し本戦に出場。 本戦では1回戦で福井 こがね虫くんと対戦。動きが遅い摩耶大橋に対しこがね虫くんはどんどんボールを投入。 アームを使って相手ボールを押しだそうとするもボールを落としてしまい、そのまま敗退した。
 摩耶大橋とは神戸市内の湾岸にかかるヤジロベー式の吊り橋。マシン本体から前後に展開するアームをヤジロベー式橋に見立てたのだろう。 結果は振るわなかったものの2年連続本戦に出場。地区大会制が始まる前の近畿の中では露出度は高い方だった。

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